世界の中心で、愛をさけぶ

小学館 [単行本]

電子書籍化済

¥520

小学館
あらすじ

物語は、地方都市に住む男子高校生の主人公、朔太郎の恋人、アキの死からはじまる。彼女の思い出を回想するように、ふたりの出会い、放課後のデート、ふたりだけの無人島への旅。そして彼女の発病、病院からの脱出、そして空港での彼女の死までのストーリーが語られ、朔太郎は自分の幸福が、彼女との出会いから始まっていたことを気づくのだった。アキの死から十数年が経過した今も粉状になった彼女の遺骨の一部を小さな硝子瓶に持ち続けていた主人公は、新たな恋人とともにアキとの思い出が詰まった郷里を訪ねる。

先生からのコメント

2001年、小学館刊。小学館文庫。 前二作がまったく売れず、ぼくは出版社を渡り歩きながら、なんとかつぎの本を出す算段をしていた。もし増刷がかからなければ四冊目はないかも、という状況で出版されたのがこれ。数ヵ月して増刷がかかったときはうれしかったなあ。自分のなかでは青春三部作の位置づけだが、前二作にくらべて、フィクション性は強くなっている。これといった苦労もなく、三ヵ月ほどで書き終えた記憶がある。ベストセラーの予感なんて、まったくなかった。とにかく物書きとして首がつながることだけを願っていた。