> 2011年9月のブログ

猫々通信①

 いろいろな人のお力添えをいただき、このたびWebサイトを立ち上げることになった。まったく不慣れなことばかりだけれど、自分なりに期するところもあり、はりきっている。
 『世界の中心で、愛をさけぶ』がヒットしはじめたころから、小学館の編集部宛てに手紙をもらうようになった。最終的には大きな段ボール箱に二つ。すべてに目を通したし、いまでも大切に持っている。そのなかでもとりわけうれしかったのは、小学生の子どもたちからいただいた手紙だ。親にたのんで買ってもらったとか、自分のこずかいで買ったという文面のものが幾つもあった。ありがたい! 小学生にとって1400円(+税)は、けっして安いお買い物ではなかったはずだ。彼ら(彼女たち)の投資のおかげで、現在のぼくはある。
 彼ら(彼女たち)に恩返しをしたいと思い、ずっと小説を書いてきた。十年後、二十年後に、ぼくの幼い読者のみなさんが大人になって、仕事に就き、結婚し、家庭をもち、いろいろな悩みや困難に突き当たったとき、気まぐれにぼくの本を手に取ってくれることがあるかもしれない。そのとき彼ら(彼女たち)の力になれるようなものを書いていたい。そのためには、その時々の自分が突き当たっていること、ぼくにとっていちばん切実な問題を書きつづけるしかないと思った。いまも、その思いは変わらない。部数的にはさっぱりだし、作品のテイストが時代の好みに合わなくなっているのかもしれないが、そんなことはどうでもいい(とも言えないか……)。
 あのとき、きみが1400円(+税)を投資してくれたぼくは、いまこんなことを考えながら、こんなものを書いている。どうやらドストエフスキーやカフカにはなれそうにない。才能の問題ってあるからね。出来不出来もあるけれど、ぼくはいつも一生懸命だ。いつだって精一杯のものを書いてきた。
 仕事をもち、家族を養い、子どもを育てている若い人たちが、一冊1500円とか2000円の本を買うのは大変だ。本屋へ行く時間だってないかもしれない。いや、行っても、ぼくの本を見つけるのは至難の業だろう。本屋に置いてない可能性だってある! 結局、平積みになっている本で済ませることになる、かもしれない。
 このサイトに遊びに来てほしい。本は買わなくてもいい。ブログを覗いてほしい。「猫々通信」では、ぼくが考えたり感じたりしたことを、タイムリーに発信していくつもりだ。「猫々」と複数なのは、目下、二匹の猫を飼っているから。その話も、いずれすることになると思う。なんといっても、ぼくの生活はこの二匹の猫たちに振りまわされているからね。
 その他に、「あれもこれも聴きたい」と「あの本、この本」という二つのコンテンツを考えている。「あれもこれも聴きたい」では、ぼくの大好きな音楽の話をしていくつもりだ。「あの本、この本」は、個人的な読書案内のようなものにするつもり。「猫々」は随時更新、「あれもこれも」と「あの本」の方は、それぞれ月一回程度の更新を考えている。
 こうしてブログをはじめることができて、年甲斐もなくわくわくしている。これから末長く、お付き合いください。